家づくりを考えるタイミングとは

皆さんが家づくりを始めるきっかけとは何でしょうか。

結婚して家族が出来た、親と一緒に暮らすことになったなど理由は様々あるかと思いますが、その理由に正解なんてありませんので、各々が必要性を感じた時に行動すれば良いと思います。

しかし、その行動を起こすタイミングには少し気を付けて頂きたいと思います。
多くの方は、本当に必要性を感じた時に行動を起こし始めると思いますが、それですと少し遅いかもしれません。

住宅建築は、建築的な多種多様な要素や条件によって成り立っておりますが、その上に住まい手である皆様のご要望が加わるため、住まい手目線で考えると「何が家づくりの正解なのか?が分からない」となるのが普通だと思います。

それが結果としてどうなるのか?というと、ある程度プロにお任せして家づくりを行うことが基本的な考えとなります。

本来は、それは正しいことではあります。

しかし、「住宅建築にとって必要なこと」がきちんと実践されずに多くの住宅が建築されている今の住宅業界を踏まえると、住まい手から「住宅建築にとって必要なこと」がきちんと担保されているのか?を確認する必要が出てきます。

困った世の中です。

まあ、嘆いていても仕方ないので何とかしないといけませんが、解決策の1つが住まい手サイドでも「住宅建築にとって必要なこと」を勉強することです。

住宅建築に必要なことは

先にも書きましたが、今の世の中で建てられている多くの住宅は、「住宅建築にとって必要なこと」が実践されていません。
理由はいくつかあると思いますが、その1つで「予算がないから出来なかった。」なんて話を良く聞きます。

これは、仕方のないことのようにも聞こえますが、そもそも、住宅建築にとって必要なことが予算で左右されるのはおかしくないでしょうか。

私は、「住宅建築にとって必要なこと」は主に耐久性能・耐震性能・快適性能(温熱性能)の3つだと考えています。
ここで、その性能に必要なことを洗い出すと、、

  • 耐久性能:紫外線劣化、雨漏り(防水)、内部結露、シロアリの対策
  • 耐震性能:大地震への対策
  • 快適性能:屋内環境をより省エネにより快適にする為の対策

のように説明が出来ると思います。

ご覧頂いて分かると思いますが、どれも住宅建築に必要な性能で住まい手サイドから要望することでもありませんが、多くの要素が建物完成時には目視出来なくなるので、住宅建築に安さを求めるとこういった部分の性能から無くなっていくのが実情だと思います。

これも、きちんと分かっている設計者であれば、予算によってこういった部分の性能が落ちる可能性は低いですが、設計者の知識がないばかりに住まい手に上手く説明出来ず、又は説明すらされずに蔑ろにされる、ということが実際にあり得ることなので、何としてもそういった事態は避けなければいけないと思います。

まずは信頼できる建築士(設計者)を見つけよう

住宅建築に臨む場合の依頼先は、設計事務所を始め工務店やハウスメーカーも合わせるとごまんといますが、住まい手はその中からこの方(会社)だと思う相手を見つけないといけません。

正直、当たりもはずれも分からない状態だと思いますが、少しでもその精度を上げるための方法は、始めに書かせて頂いたことにつながりますが、住まい手が住宅建築のことを勉強するしかありません。

正直なところ、少なくても半年ぐらいは住宅建築について勉強した方が良いと思います。
また、ある程度の知識が付くまでは、住宅展示場などの実物も観に行く必要もありません。

最近は、多くのプロが自社のHPを持ち、TwitterやInstagramなどのSNSを活用して情報を発信していますので、ネットで多くのことが調べられますので、それらを活用して頂ければと思います。または、ネットなどで知り得た本や雑誌を読むこともお勧めです。

そういった方法で建築の知識を得ながら、住まい手として望んでいる暮らしに必要な建築のあれこれを理解して、欲しい家がどういった形なのかを知りましょう。

そうすることで、多少なりとも良い建築士とそうでもない建築士、又は欲しい家を設計(若しくは施工)してくれそうな方(会社)の見分けがついて来ると思います。

ここまでくれば、後は会いに行って直接お話を聞きましょう。

如何でしょうか?
家づくりには、多少の準備期間が必要なことがおわかり頂けたでしょうか。

建築士的な立場でいえば、ご相談に来られるタイミングは、家づくりが2年後でも3年後でも正直問題はありません。
将来を見越して、信頼できる建築士を早めに探しておくことは、家づくりを成功させるための第一歩だと思います。